あらためて振り返ると、自分ひとりの力でやっているようでも、
自分だけで完結していることは少ないはずです。
誰かが自分のやっていない仕事をしているから、今の仕事や生活ができている。
毎日当たり前に食べている食事も、誰かが食料を生産していますし、
服も家も、仕事で使うパソコンや車も、
経済という名の協力行為によって得られています。
自分たちの身の回りに当たり前に存在しているので、
なかなか気づきにくいですが、人どうしが支えあうことによって、
社会は成立しています。

そして、会社組織でもそれは同じことです。
誰かが自分のやっていない仕事をしてくれるからこそ、
組織が成立し、成果を残すことができます。
得意なこと、不得意なことも人によって違います。
だからこそ、得意とする領域が異なる人たちがそれぞれの弱みを

カバーし合うことができれば、最高のパフォーマンスを発揮できますし、
新しい価値を生み出すことも可能となります。

また、その一方で、一人で全部やった方が早いこともあります。
人が二人以上集まれば、そこにコミュニケーションの必要性が生まれます。
コミュニケーションには、お互いのリスペクトがない、
意図が通じない、背景を共有できないなどの状態にあると１＋１が２どころか、
マイナスとなって１以下になることさえあります。組織として機能せずに、
ただ人が集まるだけの集団ではパフォーマンスは下がり、
お互いにとって不幸なことです。

組織が成立するには、「共通の目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の
３つの要素が必要不可欠だと言われます。
チームワークという言葉の印象だけですと、何だか優しいイメージに
聞こえるかもしれませんが、弱みを補い合うことはもちろんですが、
強みを活かして共に高みを目指すことです。寄り添いあって助け合う、
サポートするということではなく、それぞれの異なる強みを持つ
個人が集まるからこそ、その先に価値が生まれます。